鎌倉彫清流について

鎌倉彫は宋人陳和卿がもたらした紅花緑葉ー堆朱の一種を模して源頼朝の招きによって鎌倉に居住した仏師運慶の子、康運が法華堂の仏具を造ると共に大彫漆器を製作したのが初めと伝えられております。

この手法は日本だけのものでなく中国でも堆紅(ついこう)、または罩紅(とうこう)と呼んで彫木器に未漆をかけたものがあります。その手法を取り入れて鎌倉時代に行なわれるようになりました。
一時中絶した事もありましたが明治に至り漆の脆弱な面が研究改善されると共に刀法図案等にも工夫が施され美術品のみでなく広く日用品も作られる様になり一般に普及されるに至りました。

鎌倉彫の特徴はその刀法に見られる他、漆め塗方にも独時な手法を有し一見粗野ではありますが年代を経るにつれて光沢が深みを増すところにあるといえます。
この由緒ある鎌倉彫の伝統を基にして初代湯川清山が近代手法を編み出し茶道華道のように明治の後期にお稽古に移した先駆者でもあります。大正より昭和にかけて大変な隆盛をみました。

「閑院宮、伏見宮、北白川宮、竹田宮、李鍵公家、李鍝公家、華頂家」の旧皇族方も故初代清山がご指導申し上げ大変御熱意のあるお稽古をなさいました。
殊に戦後六十余年の今日に至っては文化生活の向上に伴って鎌倉彫にたいする素朴で優美高雅の良さをみとめる様になり一般家庭の主婦の方々に広く愛好される様になりました。
昨今鎌倉彫はお稽古あっての鎌倉彫と申し上げても過言ではないと思います。
一般商品としての鎌倉彫、趣味としてのお稽古の場で一彫一彫と彫り上げた作品どちらを見ましても手作りの楽しさがあります。
八百余年の歴史を持つこの由緒ある鎌倉彫をひとりでも多くの方々に愛好されます事を心より望んでおります。

清美